インディージョーンズ4 知識を持った今だから。

インディージョーンズ4はずいぶん前に見たのだが、また見るチャンスがあったので視聴。
割と序盤に、インディーが悪党から逃げる道すがら、核実験施設に紛れ込んでしまう。
昔の自分は、このシーンをなんとなく見ていた、むしろ、自分が想像したとおりのストーリー展開になった事を喜んで見ていたとさえ思っていただろう。
核実験を始めるアナウンスが、実験施設に響く。
インディは逃げる事叶わず、施設内の冷蔵庫に飛び込み蓋を閉める。
核が施設に投下される。

知識を持たなかった以前の自分とは違う。
そんな状態になれば、インディはどうなるか、想像に容易いだろう。
生存は奇跡。冒険は愚か、おそらくは一生ベットの上での生活を余儀なくされるだろう。
吹っ飛び、地面に何度も叩きつけられた冷蔵庫の中にいた、というだけでも大惨事なのだが、インディはその冷蔵庫から五体満足に抜け出し、きのこ雲を眺めながらやれやれといった表情。
シャワー洗浄で、何の問題もなし。ストーリーが続く。



知らない、という事は恐ろしい事だと思った。
今でこそ、これだけ原爆、核融合メルトダウンと、様々な情報が入ってくるが、知ってしまった後に見る、このシーンのなんとふざけた演出である事か。
これがアメリカ人の原爆に対する認識だと思うと、本当に酷い物がある。
残念だが、昔あれほど楽しく見ていた映画が、冒頭のそのシーン一つでクソ映画に変わってしまった。
この映画が日本上陸したばかりの頃は、これが大人気だったのだから、今から思えば、酷い話である。
これは、見ないと共感しにくい感覚だろう。
なぜなら、私だってついさっきまでその感覚に気づくことなく、「良い映画だったという事だけ」は覚えていたのだから。
さて、とりあえず映画の残り時間だが・・・とても楽しめそうに無い。
困った話である。