プログラムの穴

よく、プログラムの穴を突いてゲームを攻略するなんてことは、しばしば世の中ではよく見られることだ。
最近のゲーム業界は、そういったものをバグとして対処し、良くないものとして扱う。
昔のゲームはそういったものを含め、攻略のネタになるといわんばかりに
甘くプログラムの穴が残っていたりしたものだ。
 
しかしながら、そういった穴を使用して、対人戦に使用するのはいかがなものか。
時と場合により、穴を穴と感じず、著しくモラルを欠く行いを実行することとなる。
 
今日、妹と「東方花映塚」と「東方萃夢想」で勝負。
東方萃夢想格闘ゲームということもあり、試合内容に多少技術に拠る差が出てしまったが、
花映塚はシューティングで、そこそこ良い勝負が出来た。
途中、・・・大体、全キャラ使い終わる頃だろうか、
妹から「ずっと、咲夜使って」という、不思議なオーダーが来たので、
3ゲーム6試合、私が咲夜で勝利し、妹がふてくされてきたので萃夢想を実施した。
どうも、咲夜に負けたのが悔しく咲夜に勝つまでやる気だったらしい。
上で書いたとおり、萃夢想は一方的な試合展開で3ゲームほどでやめてしまった。
 
なんだかんだ、満足していないらしい妹がテニスの王子様〜最強チームを作ろう〜で勝負しよう
と言ってきた。
実は、妹の作ったチームが強すぎて、以前に話にならないほど負けたときがあり
それから嫌遠していたのだが、対等に勝負できるゲームでもあったのでその試合を受けた。
3本先取で、先に2本取った方の勝ちというルールで試合は進む
第一ゲームは妹が勝利し、第二ゲームは私が取った。
勝負の決まる第三ゲーム
私が優性気味に良い感じでゲームが進んでいた。
しかし、妹も負けじと試合をうまく進める。
私は、ロブやボレーでテクニックを駆使した試合展開、妹はスキルをガンガン使っていく技による試合展開。
正直、テクニックに頼る試合はスキルがノリ始めるとまったく手も足も出ない。
話にならないほど負けたときは、序盤でスキルがノリはじめてしまいこちらのスキルが封殺されてしまう状態で
完敗したのだ。
今日はお互いがスキルを使用しやすい状態で、本当に良い形で試合が進んでいた。
しかし・・・
勝負が決まりかけた頃である。
妹がスキルを使い、確実に1ポイント取り返す。
スキルを使用するとキャスティングディレイで連続での使用が出来ない状態となる。
その間に私がスキルを使用して1ポイント取り返す。
その駆け引きが面白いゲームなのだ。
どちらかのミスでスキルによる点の取得に失敗した時に試合が決まる。
それまでは、一見、均衡が保たれているようで、水面下ではじたばたと相手のミスを願い、
誘うような試合を続ける。それが白熱する状況を生み出す。
正直、その攻防の果てに負けても「うまい事やられた」という、説明しがたい感覚が残り
自然と不快感が残る事は少ない。
悔しいけど、楽しかった、そんな状況。
 
しかし、今日の結末はそんな面白い最後には成らなかった。
妹がスキルを使い、点を取り、キャスティングディレイにより通常のショットで試合を続ける
・・・はずだった。
こちらがスキルの準備を行っても玉がネットを越えてこないのだ。
ネット
フォルトとは違い、サーブがネットをかすめた場合は打ち直しを行うことができるのだが、
2度ネットを行った時、キャスティングディレイが終了した。
・・・妹がスキルにより点を取得した。
試合をする気力が一気にうせてしまった。
というより、明らかにプログラムの穴だった。
この方法を使えば、試合序盤にスキルが使いにくい状態であっても
ネットを繰り返していればそのうちスキル使用可能状態となり、確実に点を取れるスキルであれば
サーブで負けることは無くなる。
ゲーム側としては、そんなスキルを連発されては試合にならないので、キャスティングディレイという
インターバルを置いているのに、この方法をつくことで序盤からスキルを連発する事が可能となる。
しかし、そんなものはコンピュータ相手に実施するならまだしも対人戦に用いるのは少々モラル違反だ。
絶対に勝てない状態、となってしまったとき「サレンダー」とでも言うべきか、
試合放棄を宣言することで自分の負けを確定できる。
正直、今がまさにそんな状況で、そもそも「負けそうになったからプログラムの穴を突かれた」と
感じてしまったことで、私のやる気はもうなくなってしまっていた。
そんなことまでして勝ちを望むのであれば、別にこちらが勝ちにこだわる必要も無いので
試合放棄を選択して妹に勝ちを譲った。
妹は結果として勝ったわけだが、それで満足してしまうようであれば2回目はもう無いからなと念を押すつもりだった。
次の試合で同じことをしないことを願いつつ、チーム選択を行おうとすると
とても不機嫌そうな顔で足でPS2の電源を消した。
まぁ、当然だろうなと思いながら妹を諭したが、頭に血が上っているのかまったく話を聞きやしない。
「プログラムの穴を突いてまでして、勝ちたかったんだろ?
事実、勝てたんだ。私が棄権する事で。満足だろ?え?」
そしたら、ネットを使って気力を貯める事はテクニックだ、とまで言い出した。
あきれたが、妹が怒っているので試合に負けて勝負に勝った感じだった。
そのあとも、なんか文句と悪口を私に浴びせていたが、
「勝ったのはお前だ。何の文句がある。何を怒る必要がある。そうまでして勝ちたかったんだろ?」
極論はこうなのだ。
最終的にはゲームに付き合った所為で風呂に入る時間を逃したとか
言い方が気持ち悪いとか、ずいぶん勝手な文句まで浴びせられた。
後味は悪かったが、結局論点をずらした時点で妹の負けなのだ。
あとは、逃げるように自分の部屋へ戻っていった妹だったが、反省してくれるとよいのですけどね・・・