どんどん外れていく業界思想

まにあっくすZ 「日本のゲーム市場は何かおかしい。世界と同様にGTAとかHaloが流行るほうが自然」 …岡本吉起氏()

カプコン専務取締役、現ゲームリパブリック社長の岡本吉起氏が、「日本のゲーム市場は、おかしい。世界と同様に「Halo」や「GTA」が流行る方が自然」などコメントしたことでちょっとした話題となっている。

この記事を読んで、「あぁ、またハゲとマッチョが暴れれば売れる」とかいう、
日本の色に合わないゲームをもてはやす記事か、と思って読んでみた。
初めてこれ関連の記事を眼にした人には、考えさせられる記事になると思う。
私は、残念ながら以前似た様な記事で、ハゲマッチョ記事を読んでしまい、
そのときに結論を出してしまい、今回の記事はそれを踏襲してしまう物に他ならないので、あまり参考にならないかもしれない。



結論としては、その理屈はおかしいと思っている。
今日、丁度そんな話をして、友人に言われた一言だが
PS3?やるならGTAだけだな」
ここまでは、カプコンの旧偉い人の思惑通りだろう。
『なんで?』
私は友人に問い返してみる。
「だって、あのゲームって警察殴って銃乱射して殺して殺されるゲームでしょ?楽しそうじゃんw」



楽しいわけあるか。と、思わず友人に心の中で突っ込んでみる。
カプコンにしてみれば、ゲームが売れるだけならそれでいいだろう。
マーケティングのための商品なので良しとするならば、その思想は私は好きではない。
GTAというタイトルは、ゲームを良く知っている人にしてみれば、ストーリーの流れの中で悪いことに巻き込まれてしまい、
警察に見つからないように悪事を働いたり、時に都合の悪い人を口封じのために殺したりするゲームであり、
その内容が過激であったために、作りは良いが子供の成長に害を為すゲームとして18禁の指定を受けた(?)
世間では、そんな問題作が登場したという情報が広まるが、それは端的な情報で広がる。
残虐性が強く「殺す」テーマ性のゲームだから、18禁になったと思われがちになる。
18禁になる要素なんてエロいかグロいかと相場が決まっているからだ。
グロいんでしょ、酷いんでしょwだからやりたい。という認識が少なからず産まれる。
それは、とても悲しいことだしゲーム業界の流れとしても良くない因子であると思う。



私はゲームが好きだ。
それは、旧時代の人間達が夢や想像を駆使して作り上げた世界を小説にしたためたり、マンガというジャンルで人々に伝えたように、
そういった表現の場がゲームという媒体で、人々に楽しんでもらうためにあると考えている。
最近ではその種類も膨大に膨れ、たった一つの作品を人の手に渡らせるということが難しくなっている。
故に、強い思いのこもった作品以外にも、金のためのマーケティング要素が強い作品まで世に出回る。
その点で、私にはGTAマーケティング要素を前に出した作品にみえてしまっている。
「日本のゲーム市場は何かおかしい。世界と同様にGTAとかHaloが流行るほうが自然」
それは、自分の世界観を共有する流れで日本に普及しなかったことを嘆いているというよりも、
単純に世界で売れてるから日本で売れると思ったのに、実際は規制などの影響も含め売り上げが伸びなかったと、
商売がコケタ事に不満を抱いているように見えてしまう。
GTAでは有名な1コマ、『他人の民家に入り盗みを働いたことを見られたのでその民家の住人を殺した。
ゲームなんだからいいじゃん。そういう世界を共感して欲しい!だから買え!』というのならば、本当にヤメテ欲しい。
スーパーマリオの売り上げがすばらしいのも、初期のファイナルファンタジーが起死回生のヒットを始めたのも、
東方と言うジャンルが世の中に広まっているのも、皆、創造主たるクリエイターたちの思いがきちんと形になっているからこそのことだと思います。



ちなみに、ハゲマッチョについての私の見解ですけど、
日本人はハゲマッチョはあまり好まれません。
日本人は可愛い女の子が大きな剣を振るう事は、愛らしいという眼で見ます。
日本人はマッチョよりスタイリッシュな存在に憧れ、共感を感じます。
ゲームは主人公と自分を同一視してプレイします。だからRolePlay(演じて遊ぶ)といいます。
だから、自分をスタイリッシュなキャラクターで立ち回りたいと考えれば必然的に可愛い、かっこいいキャラクターが好まれます。
ハゲマッチョはネタキャラとしてしか、中々選択されません。
公共の場でハゲを見ると、「ああなりたい!」とは思わないでしょう。
「ああはなりたくないな。」という感想を持つのが自然です。
スキンヘッドは悪者のイメージのある日本ではハゲのイメージはあまり良くありません。
もちろん、年齢的なハゲも裏には精神的な負担を抱えている人という印象があり、イメージがよくありません。
お断りしておきますが、病気等が原因でそうある場合は当然その限りではありません。
マッチョは脳筋というジャンルイメージがあり、力で解決する頭の良くない方というイメージも一部にあります。
日本ではハゲマッチョであこがれる人材はあまり多くありません。格闘家の人もハゲの人ってイメージないですし。
ボビーオロゴンさんなど海外タレントであるならまだしも。
逆に、SMAPTOKIO等のジャニーズや坂本竜馬織田信長等の憧れの対象となる人物は、スタイリッシュなのです。
だから、日本でハゲやマッチョのゲームを出せば売れる、なんて妄想はユーザー離れを加速するだけなのではないかと苦言します。



あくまで、個人の感想です。
可愛いは正義だと思っている私には、外国から「ハゲマッチョでゲーム売れば儲かる」ってほいほい作るような
信念の浅いクリエイターは日本でのゲームの売り方・活動を改めて欲しいです。
・・・いや、クリエイターというか、その組織を統括する上の人間が、そういうことを言うのはやめて欲しいですね。
その下に付いているクリエイターの人は決定を下したらそれに従わねばならないのですから。。。