川崎市ボードゲーム制作企画、負担は全て無償奉仕?クリエイターを舐めるな!

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1710/05/news124.html
川崎市ボードゲーム制作企画が無報酬・交通費自己負担で批判 市は「あくまでワークショップの延長」

川崎市が主導でボードゲームを広める為の活動をします!
クリエイターの諸君!こぞって参加して欲しい!
ん?県外からの参加も大歓迎だ!
交通費?出るわけが無いだろう?下火のボードゲームを盛り上げてやろうというのだ、そのくらい君たちが協力したまえ。
参加報酬?何を言っているんだ君は?ボードゲームごとき作った程度のことで金を払えと?
あえて言うなら、将来君達のファンに成るかもしれない多くの子供達にボードゲームの楽しさを知って貰う良い機会ではないか。
我々としても、題材を「みどり」「ゴミ」「街並み」等、市の活動の助けになるようなものを作ってもらえれば、ありがたい。
まさに、WINWINの関係だな。
ん?作ったゲームの著作権かね?
元々、作ったものは子供たちに配布する予定だったが・・・
そうだな、君達も管理が大変だろう。川崎市が全権を持ってやろうではないか、はっはっは。
・・・あぁ?作ったものを販売しないのかだって?
何を言ってるんだ君は、こんな金にもならない企画で収益を上げられると思ってるのか?
そんな予定は無いよ、馬鹿馬鹿しい。話にもならない。
万が一、収益になるようなものが出来たら、その時は改めて考えるが・・・
まぁ、発生した利益は市の発展の為使ってやるから、心配しなくて良い。
さぁ、有能なクリエイター諸君、川崎市の為是非、無償で馬車馬の如くがんばってくれたまえ!



上記は誇張表現ではあるが、大体そんなところだろう。
あまりに馬鹿すぎて開いた口が塞がらなかった内容だった。
他のクリエイターたちも

ゲームデザイナーなど一部から「ボードゲーム制作って、ずいぶん安く見られているんだな」「数日後に謝罪とともに削除されそう」「報酬なし交通費自己負担って人集める気あるの?」といった川崎市への批判が相次ぎました。

との批判がある一方で、一般人は冷ややかな反応。
川崎市を擁護する声も上がっている。
はっきり言って、一般人のコメントに関しては、ボードゲームを作ることの難しさをなんとなくでも理解ってる人と全然理解ってない人、半々の意見でしょうから、なんとなく聞き流す程度で良いでしょう。



ボードゲームをお店で買おうと試みた人はどれくらいいるだろうか。
私は、ぼちぼちだが、そういうコーナーに入ると時間をかけて物を見て回るほうだ。
だが、ドイツのボードゲーム一つ手にとって見ても、3600円とかざらにある。
たかが、紙と小物のおもちゃなのにと、私も何度も思ったことがあるが、
これを実際に作ってみようとすると、あれまこの価格設定も頷けるほど大変な仕事となる。
おそらく、今の川崎市ボードゲームに対して以前の私に近い感覚で話をしている。
まずは、お前らが作ってみろと。
その上で、同じ事が言えるなら、もう身も心も公僕だよ。
上から「無料で無能なクリエイターを使い潰せ」って指示が出てるんだろうけどな。
無能な上から。
で、そんなクリエイターが10人の募集の枠のうち、20人以上集まってるぜやっほぃ
というのが今の段階。
まぁ、こう言うのが好きだからあんまり条件は気にしない、っていう考えの浅い人が集まってるわけで・・・
川崎市でこう言う前例が出来たから、私の市でもやりましょう!
みたいな構図が出来上がるのが非常に困るんです。
作られたものがゴミであれ、神作であれ、市や企業が無料で使い潰せるコンテンツに成るのは日本市場でボードゲームの終焉に繋がるのです。
大げさに考えすぎ、と考える人も居ると思いますが、今のイラスト市場が酷い事になってるのは、こういう出来事が原因でスタートしてるのです。
パソコンの普及で多くの人がイラストを簡単に作れる環境が増えた一方で、イラストレーターを本業にしている人が、
安価、場合によっては無料で企業にイラストを提供した一般人に仕事を奪われ、結果、本職イラストレーターが死に掛ける事態になっています。
・・・有名な話です。
依頼した側は若いクリエイターの売名と自身の利益でWINWINと、甘言で未熟なクリエイターを使い潰しますが、
結論としてそれに巻き込まれたコンテンツは大体腐ります。
公主導で実施されたコンテンツが大概失敗するのは、公側が中身を見てない、
その辺はクリエイターががんばる部分だから、我々には結果が戻ってくればいい。
そういう認識だから今回の一件、荒れてるのです。
その辺はKADOKAWAたつき監督降板問題にも同じことが言えますが・・・
話が脱線するので、一言チクリというだけに留めておきます。

最終的に救いが無いのは

市の担当者によると「今回のものはあくまで通常行うワークショップの延長にあるもの」と位置付けられているようです。また「批判意見があがっていることも把握しているが、計画の見直しは今のところない」とも語っています。

批判意見が何で上がってるのか考えてないから、怒られるんやで。
作ったものの著作権は市が牛耳るらしいので、参加したクリエイターさんが結果的に何かをパクってしまって炎上する事を僅かに期待しますが・・・
クリエイターさんは参加することを決めた以上、まじめにがんばってくれる事を信じていますので、その期待もむなしい結果に終わるでしょう。
お化けが出るだけで「ガイスターに似てますね」
牧場をテーマにするだけでアグリコラには到底及ばないな」
サイコロを使うだけで「結局運ゲーかよ、ちょっとそういうのは・・・」
・・・クリエイターさんなら、わかるよね。ボードゲーム作る本当の難しさが。
ましてや、これが「小学生向け」ってなるとカタン」「プエルトリコレベルのごちゃごちゃしたのは望まれない。
色々悩んだ結果、「みなさん、ボードゲーム何もってます?」と自分達で持ち寄ったゲームで大会が始まったら、それが一番幸せだと思う。
あとね、募集要項が

ボードゲーム、景観、まちづくり、教育などに関心がある18歳以上の人

なのですが、イラストが得意な人を確定枠で数人確保しておかないと・・・
まぁ、一度でもボードゲーム作りを考えた人なら気がつくはずですが。
あ、もしかしてあれですかね。
QUARTOみたいなのつくるなら大工さんとか、木材加工に精通した人を一人くらい枠で確保してもいいかもしれません。
いっそ、ドン○ホーテあたりでパーティゲーム買ってきて子供たちと遊んだらいいんじゃないですかね。
すばらしいボードゲームのワークショップになると思いますよ。