なろう系が大好きな私ですが

最近、なろう系小説のコミックスを読み漁っているのですが、そういった創作活動に対してドヤ顔で「なろう系は作者の自己の投影だから」とかいうコメントを見つけてしまった。
その時は、自らは何も生み出さないキッズは言う事もカッケーですね
と、手をひらひらと「アッチ行けや」と言わんばかりのリアクションだったのですが、なんと言いますかね。
こんなにもなろう系が溢れてくると、残念な仕上がりの作品にも当然出会ってしまうわけで。
ただ、まぁそれも仕方ないのは理解しているのですが、ほら、自分の趣味に合わないとか、そういうレベルでの貶し(けなし)はみっともないじゃないですか。
そうではなくて、原作小説からコミックス化するに当たって、なんでこれ誰も止めてあげなかったんだというものに出会ってしまって。



エルフ嫁と始める異世界領主生活 第3巻
主人公の住む田舎と異世界が繋がってしまった!みたいな内容で、まぁイメージして貰うと「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」や「アウトブレイクカンパニー」等にひっぱられちゃってるなーって言う、まぁ別になろう系が溢れる昨今で珍しい事でもない似たり寄ったりな物語。

無料立ち読みを読んでみると、そこまで異世界要素が無い内容で、最後に1ページだけ「お前んとこの漁師 漁業法違反してるじゃねえか!」
という、第3巻は海で起こった問題のあれこれを切磋琢磨思案して解決する内容ですよーと匂わせて、無料分は終わり。
おいおい、俺達の国に漁業法違反してくる異国民の話だと?やぶさかじゃねぇなぁと、もしこれがファンタジーの世界と融合した話になったら、どんな解決をしてくれるんだと期待しながら読むわけですよ。
・・・
エルフ「なるほど、それでは乗組員が増えても取れる肴の量が多くなれば問題ないと言うことですよね?」
主人公「まぁ、そういうことになるな」
・・・
・・・!?
いやいやいやいや
そういうことじゃねぇよ、何言ってんだよ。漁業権って言うのは、言ってみりゃ「保護権」も含まれてんだよ
決められた漁獲量を無視して異世界人がこっちの土地の魚の漁獲量を無視して取り捲ってるから問題化してるんだろ!?
で、話のオチとしては「乱獲」すれば漁獲量の問題はなくなりますね!って話。
異世界のクリーチャー使って、こっちの世界の種を滅ぼすつもりかと。


まずな、ご都合主義の話なら別にキライじゃないんだが、これはあまりに作者が無知すぎる
んで、まぁ小説で書いちゃって公開しちゃったもんは仕方ないよ、多方面の人から怒られて、きちんと考えろと。
問題なのは、なんでこれ商品化するときに「1.漫画かいてる奴」「2.監修する奴」「3.商品化する奴」誰も止めなかったんだよと。
単純に、このエピソードだけ漫画から除外すべきじゃん、と。漁業法違反は相当ピリピリする内容だぞと・・・



作者が未熟で、作品が未熟な物が公開される事に関しては別に、もっとやれとさえ思う。
こういうのは別に昔からあった。「で、これ何のパクリ?」と一蹴されるものから「電車男」みたいにメディアミックスで広がった創作物まで沢山。
でも、こういう作品が洗練されずにただ流通の波に乗ってしまうのを見ると、ATARIショックを思い出して、言わなくてもいい事をいいたくなる。
なろう系は面白いのもそうでもないのも千差万別ありますが、結局そこは趣味に合う合わないの誤差で基本的には面白いです。
だからこそ、こういう一つのジャンルが潰れるような流通のやり方は見ていて嫌な気分になります。