「ごほうびおひとり鮨」を読んだ感想

最初に言っておきます。
私的にはマイナス評価のレビュー記事です。この作品が好きな人はご注意ください。
私はご飯ものを取り扱った漫画が好きでよく読んでいます。
「幸福グラフティ」「新米姉妹のふたりごはん」
のような、ほのぼの日常系の漫画。
孤独のグルメ」「忘却のサチコ」
のような、渋めのご飯屋さん漫画。
異世界居酒屋のぶ」「異世界食堂
のような、なろう系のチート漫画。
食戟のソーマ」「焼きたてジャぱん
のような、料理バトルが熱い漫画。
いずれも、ここに上げた漫画はすばらしいものばかりでした。
今回読んだ、「ごほうびおひとり鮨」を読み終えた時、
今までの漫画を読み終わった後に感じた幸福感は薄く、正直胸糞の悪さを感じました。
これ、この漫画のどの部分に嫌悪感を感じたのか書くとネタバレに成っちゃうのでどうしようかと思ったのですが・・・
ま、いっか☆
この漫画の入り口は、表紙に書かれてる主人公が可愛いので、上記のほのぼの系のご飯漫画だと思って読み始めたんですよ。
そしたら、場面は会社のオフィスのシーンから始まり、10年付き合った彼氏に手酷く振られ、その腹いせに結婚費用の為に貯めて来たお金をおいしい物を食べてすっきりしようという、「忘却のサチコ」を髣髴とさせる導入。
別にここまでは、気分を害す要因は何一つ無い。
最初にすし屋でいいものを食べる。
おいしそうな描写と、感動する主人公。かわいい。
コロコロ表情の変わる主人公の描写は見てて楽しい。
のだが・・・
話の最後のお会計のシーン。
店主「握りおまかせと生ビール一杯で税込み一万七千六十四円です。」
主人公「あれっそこまで…じゃない!(場面の前後から補足:そこまで高額じゃないの意)」
・・・んっ?
ここで、自分、テキストを読み間違えたと思ってページを戻って読み直す。
「一万七千六十四円です。」
・・・え、これが高くない前提で物語り続くの?
二話目も別のお店で強面ながら優しい店主と、百面相しながら寿司を食う主人公
話的には面白い・・・
問題の最後のシーン。心配が的中する。
店主「税込みで一万二千九十六円です」
主人公「お値打ちやー」
・・・。
お、お値打ち?
15貫しか食ってなくて他ちょいちょいで・・・?
その後も、そんな感じの流れが繰り返しで続くんですが、最後に値段が出てきて漫画の面白さぶっ壊してるんですよ。
なんか、話毎の終わり方が「金額」を強調しすぎていて、正直その要素求めてないんですよ。
駅とかにおいてあるフリーペーパーでお店の紹介を、わざわざ漫画で読まされた感覚に陥る。
で、巻末の「舞台裏」なる漫画にトドメが。
作者:「会社の金で寿司を食って、漫画を描ける。最初、詐欺だと思った」
そう、詐欺だと思うような値段の料理を主人公は食いまくってるんですよ。
漫画の展開に共感が出来ない。
振られた腹いせに、結婚費用の為に貯めておいたお金で一回高い寿司を食べてやる!
ならわかるんですが、何度も一万円越えの料理食いまくって「高くない」ってほざくOLが、
振られて可哀想って言う心理状況にならない。
と言うか、むしろそんな金あるなら不幸でもなんでもないだろ・・・
んで、高いもの食べて「おいしい!」
・・・なんだろう、「そりゃそうだろ」としか。
ちなみに、インターネットで検索して他の人のレビューを読むと、
作者の元々のファンの人はべた褒め。
初見の人は、私と同じ「お金」の部分が引っかかってる感じ。良くも悪くも。
ほんと、絵がきっちり可愛いだけに、このストーリの構成は残念の一言でした。